働き方改革と、オフィス稼働率、無駄になるコスト





シンジです。日清CIOの喜多羅さんと話をしてて腑に落ちた事がありまして。ウチの会社は情シスコンサルなので、オフィスを作るときのインフラやセキュリティ設計などもやる都合上、オフィス移転や新規拠点設立の時にオフィスPMと一緒に物理部分を作ったりすることもあります。当然その時に議論になるのは「家賃」です。

従業員の大半は、自分のオフィスの家賃を知らない

自宅の家賃は自分の財布から出て行きますから、そりゃ当然あれこれ計算するでしょう。やれ礼金だのやれ敷金だの、ペットいけるのいけないの。オフィスを作るときも似たようなことをやるんですが、規模感が違いますよね。

家賃10万の家に住もうと決めます。いざ住むと、テレビや家財道具など、毎月かかる固定費よりも、生活を維持するための初期投資がそこそこ大きいことが分かります。オフィスも同じです。

例えば、都内で従業員数300人、シャレオツオフィスが1億円で入居できて、毎月の家賃が500万だとします。この1億円には引っ越し代とかデスクとかも含んでます。となると、いざ引っ越してしまえば毎月かかるのは家賃とランニングコストですね。電気代とか福利厚生の自販機とかもろもろ。ビルによりますが清掃業者の費用は契約時の賃料に加えておいたりするわけです。

で、ビルの契約年数は3〜5年、場合によっては7年とかもっと長期間で契約するので、「初期費用」+「賃料」+「ランニングコスト」を従業員300人で割ったとき、1人あたり毎月いくら出費してるのかだいたい分かります。

あとは契約年数で割るかどうか、会社も変化しますからね。伸びてる会社はだいたい2年くらいで人を入れるスペースがなくなってヒーヒー言うことになります。

稼働率が重要だって話

ようやくここで日清CIOの喜多羅さんのネタが出てくるわけですが、みなさんも簡単に想像できるはずです。製品を作るときの「工場」の稼働率が高いか低いかは、会社の運営や利益に及ぼす影響度としてみると異常なほど大きいということ。

何か、モノを大量生産しようと思ったら、工場の建設費や維持費、人件費はもとより、その製品を作るための材料の入荷や品質検査、1日24時間のうちどれだけ稼働させられるのか、機械のメンテはどうするなどなど。

製造コストが上がれば上がるほど、製品を売ったときの利益が削られていきます。1円未満の、数銭のばらつきをどれだけ厳格にコントロールしてやるかが、消費者へ買いやすい値段、会社としても利益を出して、より良い製品を作り続けられる値段なのかというのをきっちり見ているわけですね。

よく考えてみれば日本は製造業が強い会社が多いわけで、この辺りの現場ノウハウは日清に限った話しではないですよね。つまり、稼働率とコスト計算は得意なはずなのです。

300人の従業員が1億のオフィスに出社しなかったら

働き方改革の中で、リモートワークの推進がありますよね。会社に出社しなくても仕事ができる環境を提供しよう。いいじゃないですか。素晴らしい。都内は電車通勤でのロスもすごいですし、誰もが出社せずに出社しているかのごとく仕事ができるなら、これは素晴らしいことです。

で、それをどうITで実現するかっていう話しは、もはやシンジ的にはありきたりのネタになってきたのでそんなのは楽勝だってことで今回は割愛。

主題は、1億円もかけてオフィス作って、毎月家賃を支払っているオフィスに、誰ひとりとして出社しなかったら、そのオフィスにかけてるお金って意味ある?ってことなんですよ。

さすがに1人も出社しないってことはないとしても、もともとは300人の従業員を気持ちよくいい感じで働いて頂くために、頑張って設計してお金かけて作ったオフィスのはずなのに、リモートワークを推進します!ってことは、出社率が減るってことで、オフィスそのものにかかっているコストの、従業員1人あたりのコスト割合がどんどんあがっていくはずです。

こうなると、オフィスそのものが、まさに会社の経営を圧迫するただの「コスト」でしかなくなります。

企業規模や場所にも左右される

オフィスの稼働率は、アメリカ企業ではかなり重要視されています。例えばニューヨークの超いいところにオフィス作って、サンフランシスコの超いいところにもオフィスを作って、ってやると、想像を絶するほど家賃が桁違いに高いので、経営陣はオフィスが機能しているかどうかを数字で判断する必要があるわけです。

また文化的な問題もあります。定時で出社するのが当たり前の日本企業と、オフィスにいるのかいないのかよく分からんアメリカ企業みたいな。ざっくりそんなところです。

更には、オープンスペースが活用されてるのか、コミュニケーションに問題はないか、人が集まっていない薄くなっている場所はないか、規模が大きくなると、どこにどの部署があってどれくらい人数がいるのか、誰がどこに座ってるのか、その人は何をしてるのか、更にはオフィス内マップなども可視化してデータ化して分析して、「オフィスの稼働率」を計算するわけです。

CAFM/IWMSという分野

これが日本に定着するかはまさにこれからです。

Computer Aided Facilities Management (CAFM)
Integrated Workplace Management Systems (IWMS)

これを積極的に活用している企業で皆さんでも知ってそうなところは、

NASDAQ
Slack Technologies
WeWork
Splunk
avast
TESLA

などなど。Amazon系のa9.comって会社も採用してます。
このオフィスマネジメントをSaaSで実現します。そのプラットフォームになっているのが、

SpaceIQ
https://spaceiq.com/

です。スマホアプリも提供されてます。
この会社、創業が2015年なので、できたてホヤホヤなのにもかかわらず、あのNASDAQがぶち込んでるんですから驚きです。セキュリティはその時にかなりしごかれたと思います。

実際にSpaceIQで稼働率を自動取得してコスト計算してみたり

拠点ごとに見てみたり

フロアごとに見てみたり

誰がどこにおるんかね〜可視化

管理者が部署をコントロール、異動も楽々

社内用マップとしても使える

多機能すぎておじさん大変ですわ

SpaceIQはB2Bサービスなので、顧客の事情に合わせてどのデータをトリガーとしてどうするかなどのカスタマイズがかなり柔軟です。インテグレーションも平均3週間程度で終わります。

さぁ、日本企業でここまでしっかりコスト計算する経営者がどれだけ出てくるか。

本音は、シンジも実際SpaceIQのインテグレーションをしてて思うのは、国内でそこまで活用できるかどうかは、いまチャレンジって感じです。

この荒波に乗りたい方募集中。




1 個のコメント

  • はじめまして。
    興味深く読ませていただきました。
    私は以前Web制作会社に勤めていましたが、顧客であったとある専門商社の社内を見学していたところ、その会社では、

    ・各部署の予算に家賃が割り当てられている
    ・家賃は、部署が使っている部屋の床面積で決まる

    ということを教えてもらい、大変驚きました。
    しかも、直接部門だけではなく、間接部門もだそうです。
    算出基準などは聞きませんでしたが、何がしかの算出式があるのでしょう。
    そのことを教えてくれたのは在庫管理の部署の責任者でしたが、割り当てられた床面積に対して部署の人数が少ないため、相対的に家賃が高くて困る、とぼやいてらっしゃいました。

    なお、自社ビルということだったので、おそらくは減価償却や固定資産税を割っているんだろうな、と推測しています。

    このSpaceIQも同じようなことができると思いますが、アメリカではそのようなコスト管理が始まっているとすると、いずれ時間をおいて日本でも浸透してくるのでしょうね。

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